2008年10月30日

イチョウ

先週京都の鞍馬寺に行った。火祭りの翌朝だった。

ぼくは火祭りとは厳冬の頃だと勝手に思い込んでおり、その翌朝
訪れたのは偶然だった。
小降りの雨の中、門前の通りは夢から覚めた後のように、前夜の
興奮と、同時に疲れとけだるさを含んだ、しかし一方、晴れ晴れと
さっぱりした清らかな空気であった。
しっとりと濡れそぼった町並みのそこらじゅうで消防団が松明や焚
き火跡の炭を防火用水のホースを引き回してきれいに洗い流す様
子や、濡れた炭の立てる湯気の匂いが、とても良い雰囲気だった。



大仏次郎の『鞍馬天狗・鞍馬の火祭り』の圧倒的に美しく印象深い
そのラストシーンを思い出す。
小説の中で描写された祭りの様子を回想しながら参道を登った。

火祭りは鞍馬寺の中腹にある由枝神社の祭り。三本の巨大な大杉
がそびえる社。山全体が神代からの森を思わせる豊かな原生林で
ある。
つづら折れの参道から見えた森の中の巨大な一本のイチョウが印
象的だった。




昨日は窯主の描く舞台美術の搬出搬入の手伝いで草月ホール。
昼間の空き時間に鎌倉の県立近代美術館で行われている岡村
桂三郎展へ。そして鶴岡八幡宮にお参りした。平日にもかかわらず
鎌倉はすごい人出だった。
今回窯主の作った巨大なオブジェはこの鶴岡八幡宮の大イチョウ
を表現した物で、今回の公演ではこの樹下で静御前が舞うと、こ
の朝はじめて聞いたので、不思議な気分だった。(フラメンコの公演
にもいろいろなものがある。ちなみにすばらしかった!)
義経若かりし日に修行したという鞍馬寺から、鎌倉、草月ホールと
がつながった。

一昨昨日安中でやはり胸高直径70センチはあろうかという立派な
イチョウを2本伐倒した。
植物というのは同種間では離れていても一体感のようなものがあ
るのかもしれない。


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