2014年04月30日
「うまとむすめ」・・・オシラサマの形象
「うまとむすめ」・・・オシラサマの形象
妻の父方のふるさとは遠野です。一昨年、遠野でオシラサマのことを知りました。
オシラサマの民俗学的研究はひとまず置いて、このオシラサマと呼ばれる神様が馬と娘との一対の姿をしているその形象そのものに着想を得た作品です。
ですから私の描くオシラサマは実際のオシラサマとは遠い姿をしています。たいていオシラサマは木の棒をごく簡単に加工しただけの単純素朴で象徴的な姿であるのに対して、私のオシラサマは具象的に馬と娘を描いたもので、表面的な美しさに寄りかかろうとする己の邪心も現れてしまい、そういう意味でまだまだとても神様にはなりきれない非常に卑近で俗っぽい存在ではあります。
「馬」は人類にとって素晴らしい存在です。馬は「自然」の一部です。「自然」から離れてしまった人々が馬から大きな癒しを受けることがあるのは、馬が「自然」を持っているからです。大きくて手に負えない一方で私たち人類に大きな恵みを与えてくれる「自然」が、馬の体内には力強く流れています。
「娘」は私にとって、「子ども」と「女性」という二つの意味を持っています。
「子ども」は人類にとって素晴らしい存在です。かつ現代は子どもから健全な子ども時代を奪うような事象が満ち溢れています。世界のすべての問題の根源はここにあるということを、最近、私は知りました。これは極めて身近で、極めてありきたりなので、問題という認識すら持たれないのが現実なのですが。例えば、仕事に忙しくて一瞬子どもを無視してしまったことはありませんか。その一瞬から、世界の病気は始まります。
「女性」もまた素晴らしい存在です。女性性とか母性というべきかもしれません。出産に立ち会って、そして子育てを共にして、知りました。かつ現代はそれを大切にできていない時代であることも知りました。
私にはこの三者が、世界が良くなるための希望のカギに思えています。私のオシラサマはそういう神様です。
・若山卓日本画展― たたずむ ―
傍らに立つ。ゆっくりと、言葉のない対話を交わす。
馬たちが教えてくれたのは、佇む( たたずむ )という行為でした。
□営業時間:午前10時~午後7時 (土・日・祝は午後7時30分まで)
□お問い合わせ:直通( 0 2 7 ) 3 3 0 - 3 9 5 6
□平成26年4月30日(水) ~ 5月6日(火・振休)
□高崎髙島屋5階アートギャラリー(群馬・高崎)
※最終日は午後2時閉場
・中村寿生 若山卓 2人展
数寄和(東京・西荻窪)
5/10(土)-5/18(日) 11:00-19:00 無休
中村 古民家再生 米栽培 楮栽培
若山 木こり 木曽駒の飼育
制作環境にまで意識を向け、絵画制作を続ける2人の合同発表展です。
http://sukiwa.net/wordpress/archives/1541
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