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2008年12月20日

『ソロモンの指輪』

コンラートローレンツの『ソロモンの指輪』
を読んだ。動物行動学の古典的作品。カラスについてかなり詳し
い記述があると、数寄和大津スタッフのMさんに聞かされて、読み
始めた。
カラスは主にコクマルガラスで、この報告は(もちろん!)非常
に興味深くて何度も読み返してしまった。ハイイロガンについて
の章も心に残る。
鳴き声を自分でも真似てみたりしながら、また自分の乏しい経験を
振り返りながら、しかし想像しにくい、わからない部分もあり、そして
ときに図鑑やネットで調べ始めたり、当然屋外の本物の鳥たちを探
しに出かける必要にも迫られたりもしてしまうので、意外に読み進む
のに時間がかかった。
いや正確には、まだ読み終わっていないと言うべきだ。単に訳者あ
とがきまでを一巡したというだけ。
しばらくは傍らから離せない一冊になってしまいそうだ。
(まだ読んでないけどいま手元には『人イヌにあう』がある。これも
すごくおもしろそう)

『ソロモンの指輪』
「初烏」(現在西荻の数寄和で展示中)

「旧約聖書の述べるところにしたがえば、ソロモン王はけものや
鳥や魚や地を這うものどもと語らったという。そんなことは私に
だってできる。ただ、この古代の王様のように、ありとあらゆる
動物と語るわけには行かないだけだ。その点では私はとてもソロ
モンにはかなわない。けれど私は、自分のよく知っている動物と
なら、魔法の指輪などなくても話しができる。この点では、私の
ほうがソロモンより一枚うわてである。ソロモンは指輪なしでは
彼にもっとも親しい動物のことばですら理解できなかったのだか
ら。(云々)」
と、はじまる中ほどの一章ではこの「動物の言葉」について語られ
ている。
この章の最後にもロアと名付けられたワタリガラスの感動的な一節
がある。まったく!憧れる。


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Posted by waka at 12:10│Comments(0)本を読む
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